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ネット販売の「おもてなし運営2015版」

開催日 2015年10月13日(火)
講 師 株式会社Eストアー 代表取締役 山中 洋一氏

ネットショップの大手ASPサービス『ショップサーブ』を運営している株式会社Eストアー 山中様に、『ネット販売の成功の法則2015年版』をお話しいただきました。依然として成長傾向にあるネット販売ですが、未だ販路をお持ちでない方も多いことから、本セミナーを企画しました。


ネット販売という具体的なテーマだったこともあり、ネット販売運営者、これから始める方、経営者など熱心な方にお集まりいただきました。それではレポート形式でご紹介致します。

はじめに

こんにちは、本日は連休明けのお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。本日は『おもてなし運営』という言葉が演題にございます。今ほど、エクシート様からのごあいさつの中にもお話がございましたが、「インターネット販売の世界はかなりアナログの世界」です。そこで、弊社のシステムをご利用いただいている中から、いくつかのサイトをご紹介したいと思います。『おぶぶ茶苑さん(これはたった3人で運営しています)』と、『明雅堂さん(主婦が運営しています)』です。
これらのサイトはすごく成長した店舗さんですが、法人だから個人だからとか関係なく、お客さまが欲しいモノ・コトをしっかりと考えて成長したということに他なりません。今日は、『お客さまが望むことを先回りして行うおもてなし』についてしっかりと考えていきましょう。

第1部 成長するEC市場と注目店舗の共通点

EC市場は2014年の13兆円から2020年には20兆円になると経産省は試算しています。うちスマホEC市場は2014年の1.3兆円から2020年の7兆円になるという驚異的な成長が見込まれています。もはや、ネットに販路を持つという選択は当たり前になりました。販路は時代とともに、路面店、百貨店、コンビニと増えてきました。ネットは単に従来の販路に加わっただけの話です。決して、自社販路の敵でもなんでもないのです。消費者のことを思えば、買える場所がたくさんあった方が便利ですから、ネットの販路はあって当然なのです。
さて、このネット通販ですが、黎明期には商品を単にネットで売っていればよかったわけです。ところが、それだけでは競争に勝てなくなり、商品を専門店化して販売するようになりました。家具で言えば、最初はとにかく家具であれば何でもネットに並べて売っていたものから、ソファー専門店というように商品別の専門店化が進んでいったわけです。
これからはどうなるでしょうか。今後は商品別ではなくターゲット別の専門店化が求められていくことでしょう。家具でいえば『社長の書斎家具専門店』というように、モノでなくコト軸で考えていかないといけません。ネット担当者の仕事も変わりました。かつては開店すること自体が仕事でしたが、その後は集客と転換率を上げることが仕事になりました。そしてこれからは、顧客分析してリピートさせることが仕事になります。
『おもてなし』とはどの人にも同じではなく、『どうしたらその方に喜んでいただけるか、満足いただだけるか』を常に考え行うことです。おもてなしをするには、ターゲット像をはっきりする必要があり、顧客情報、アクセス分析をすることで、お客さまの傾向・姿・像が見えてきます。この順序を考え、具現化できるとリピータ、ファン化のきっかけがわかるというわけです。


第2部 売上拡大=集客×コンテンツの充実

ネット通販の売上が上がらないという声をよく聞きます。よくお話をうかがうと。その人たちの多くが売上にしか注目していないことが多いことが分かります。これはどんなビジネスでも同じなのですが、売上=集客×転換率×客単価です。その辺の実店舗の方に「1日何人来店しているの?」と尋ねて、もし答えられないとなると、売上を上げるのは難しいでしょう。
ネット通販では買われる確率は1%ほどです。だとすれば、売上が上がらないネット通販店は集客が足りないのだといえるわけです。まずは、1日100人は集めないといけません。実際、月商100万円を突破している店舗の多くはPPC広告を出しています。PPC広告は表示されただけで費用は発生しませんし、金額の上限設定ができますのでぜひお試しください。
次にコンテンツをしっかり充実させましょう。そのサイトに来て、そのままサイトで買う人はいないと思ったほうがいいです。何度か自社サイトに来てから買うのが通例です。であれば、何度か自社サイトに来させる仕掛けが必要になります。例えば、ふとんを買いたい人なら、「ふとん 通販」の検索のあと、「ふとん 選び方」「ふとん 激安」などいろいろ検索して、買うわけです。ターゲットがいろんなキーワードで検索している中、自社サイトが見られるサイトでないといけないのです。「先ほどもこのサイト見たな、これは良いサイトかもしれない」と信頼感を持たれることです。それが最終的に買われるサイトが共通して持っている特徴です。


第3部 ネット通販成功の鍵はリピート対策

リピートが大事と申し上げてきましたが、どうやったらリピートにつながるのでしょうか? これまで成功例を見ていますと、サプライズや感動がリピートにつながっていると感じます。ここでいうサプライズと感動は「購入者の期待を超えること」を指します。
ギフト用パジャマを売っているネット通販でラッピングにたいへん力を入れている会社があります。ここのラッピングは通常の想像を超えています。多くの店主は「ラッピング代でお金もらうのはちょっと…」と考えがちなのですが、逆転の発想でどんどんラッピング代をもらえばいいと気づかせてくれたお店でもあります。ギフト用途の場合、贈り主の不安は、「この商品を贈って安っぽく見られないか」です。そこで期待を超えるほどの超豪華なラッピングを提供することは、他店との差別化になるだけの十分な付加価値として認知されるのです。
もう一つ事例をご紹介しましょう。北海道の『米のさくら屋さん(http://yumepirika.com/)』は、北海道米の『ゆめぴりか』の専門店です。ここはコメを3回リピート購買したら、なんと北海道の野菜が突然届きます。これは驚きますよ。期待を超えるサプライズですね。こういうことがクチコミやシェアされていくのです。時には、マスコミにも取り上げてもらえます。
よくリピート対策でメルマガをなさっているお店もありますので、ちょっと触れておきましょう。メルマガは中身を読まれない傾向にあるのはみなさんもご存知のことと思います。私はメルマガの役割は「当店はまだやっていますよ!」と告げるためのものと思っています。リアル店舗なら、その店の前通りかかったときにまだ営業しているなとなるのですが、ネットの場合、ブラウザを立ち上げてそのネットショップにアクセス限り、その店がまだやっているかどうかわからないのです。だからこそ「私たち生きてますよ」と告げて忘れられないことが大事なのです。なお、今は東京では電車でスマホ片手に読むのが当たり前なので、それを想定した書き方、具体的にはあまり長い文章を書くのは避けた方がいいと思います。

以上、ネットショップを運営することで大事なことを2015年版としてお話してきました。単にモノを売っているわけではありません、モノ+サービスを売っておもてなしをしていくことをぜひ実際にやってみてください。

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